駅ノートってどうやって描いてるの? The 早戸駅ができるまで ◆


駅ノートを描き続けて数年。 画力はまだまだですが、そんな中うれしい事に「どうやって絵を描いているのか?」という質問が届きました。
今回は私、あすか流の駅ノートの描き方、題して「駅ノートってどうやって描いてるの? The 早戸駅ができるまで」を紹介します。

まず駅ノートですが、当然の事ですが「駅」にあります。
駅ノートの情報を扱ったサイトも多数ありますが、実際のところは訪問しない事には駅ノートの有無はわかりません。
「下車したら駅ノートがあった。」など全く予測していなかった場合もあります。(甲浦駅、鳴子御殿湯駅、筑前岩屋駅など)

ここで駅ノートを描く上で一番大切になるのが、駅ノートを描く時間です。
旅の途中で立ち寄った駅ですので、下車してから次の列車までが絵が描ける時間です。
「その時間内で自分はいったいどこまで描けるのか?」をまず考えます。
列車のダイヤにもよりますが、滞在時間は1時間〜2時間です。
この時間には絵を描く以外に観光も含まれますので、長々と絵を描いている場合ではありません。
私の場合は、だいたい40分から1時間が目安になります。
滞在時間内に何がなんでも仕上げなければいけないのが、駅ノート描きの楽しいところです。
ぜんぜん時間が足りない場合はあきらめて、自分のイラストノートに描く事にしています。
因みに今まで最短は20〜30分ですが、すごくひどい絵になりとてもとてもネットで晒せるような物ではありません。

私の絵を描く流れですが、「撮影」→「下書き」→「仕上げ」→「コメント」という手順で描いています。
時間オーバーしないためにも、あらかじめ下書きに何分、仕上げに何分など時間配分に気を遣います。
ですので、途中で絵に致命的なミスを発見したとしても、そのまま描き続けなければなりません・・・。
これもまた駅ノート描きの面白いところですね。

前説はここまでにして、本編の駅ノートの描き方をご紹介します。
テーマは早戸駅ですが、駅には以前にあった駅ノートが見当たりませんでした。
今回は自分のイラストノートに駅ノートと同じ条件で描いてみます。




今回はこの画像にします。描きたいものがはっきり映っている画像を選びました。




まず中心点を決めます。
実はこれがこの絵の中で一番大切なところで、これがずれると全てずれますので、しっかりと決めます。




放射状に補助線を引きます。美術の時間に習った一点透視です。
後で何の線か分かるように「ホーム端」や「線路」など注釈も入れておきます。
建造物や複雑なものは最初はざっくりと描きます。




画像や実際の風景を見ながら下書きします。




木立や建物など少しずつ描いていきます。




「模写」ではなく「お絵描き」という事をお忘れなく。
木や下草や描きたくないものは、描かなくてもいいのです。




だいたい背景が描きあがりました。
お絵描きですので、描きたいものを強調しています。
この駅場合は「どの駅か?」がわかるように早戸駅の駅名標と、「山深さ」をアピールするトンネルを強調しました。
さらに画像では見えていないのですが、真横に流れている川を勝手に描き足しました。
私、あすか流は「楽しく描く事」を大切にしています。
続いて、キャラクターを描きます。




立ち位置を決めて補助線を引きます。
注意することは、建造物や背景とのバランスです。
この絵では奥のトンネルに続く線路と、早戸駅の駅名標がメインになります。
これにかぶらぬ様にキャラを配置します。




キャラの輪郭を描いていきます。




アニメ、迷い猫オーバーランのオープニングのアニメーション「ウェルカム 猫招き〜♪」が好きなので今回は採用します。
キャラはキュアパインです。
私的には描きやすいキャラでアレンジもしやすいので、突然描く時に役に立ちます。
服がすこしややこしいのですが、ここでミスると最後まで響きます。しっかりと書きこれで下書きが完了しました。




下書きができたら、すぐに仕上げにかかります。
まずは完成した下絵のペン入れです。




使うのはの愛用のハイテックCコレトの0.4です。




特に目や輪郭だけ注意しながら、その他はさらっとなぞるだけで大丈夫です
実はあまり時間をかけたくない行程なので、すばやく済ませます。




「んでっ!んでっ!んでっ!(にゃあ)にゃ〜んでっ!かまって かまって 欲しいの。イイ子じゃない時のワタシ カワイイとかってありえない〜♪」
とか、 迷い猫オーバーランのオープニングテーマを歌いながら、ペン入れ完成です。




完成した絵の下書きの線をきれいに消します。
ここには時間を描けて、きれいにすべて消します。
消すと、とんでもなく下手な絵になりますが、ここからの挽回が楽しいところです。




ペン入れのやり忘れで、消してしまった線の復活させ、さらに輪郭を強調させます。
輪郭を強調させるだけで、随分とましなイラストになりました。




着色をします。
私あすか流はピンク1色表現が基本です。
鮮やかなピンクでピンクより濃い色を表現したり、濃淡で奥行きを表現したりととても奥が深いです。
塗りですが、明らかに濃い色のものはこの時点で塗ってしまいます。
待合室のサッシや早戸駅標は、大胆に塗りつぶします。




細かい線にはハイテックCコレトの0.3を使います。
コンクリートの待合室も、さらさらと塗ります。




続いて背景の下草を表現します。
適当に色鉛筆で色を塗るの感覚で塗ります。




色の濃いところと薄いところを意識しながら着色します。
濃いところは何度も塗り、薄いところはあまり触らないようにします。
色塗りのポイントは、失敗を恐れず大胆に塗る事です。




同様に森林を表現します。
整然に並んでいる木立でも定規で引いたような木は存在しません。
なんの統一性をもたせずに、塗ります。
こちらも、濃いところと薄いところを意識します。




木立の本数などは全く気にしていません。
その場の気分で多い目に描いてしまいました。




山肌も同様です。
元画像を見ると模写を意識してしまいますので、あまり見ていません。
全くの思いつきで塗っています。
時間の都合もありますので、アバウトに塗っていきます。




全体が完成すると、遠めに見てバランスの悪いところや、何か足りないところを補って完成です。




完成後ですが、駅ノートに描いたものは、ノートを持って帰るわけに行きませんのでデジカメで撮影しておきます。
イラストノートに描いたものは、帰宅後スキャナで取り込んでフォトショップで色合いだけ加工します。
ノートのまま放置しておくと黄ばみが生じたり、水濡れや汚損などするとせっかくのイラストが残念な結果になります。
デジタルデータで保存しておきます。


いかがでしょうか?
幾分参考になりましたでしょうか?

ちょっと裏話をすると、今回はすらすらと描けましたが現場は大変です。
夏は特に暑いですし、アブや蜂などやたら襲ってくる虫もいます。
冬は逆に寒くて手がかじかんで力が入らなかったり、手を温めながら描くこともあります。
湿度の高い日は、駅ノートが湿気を帯びて鉛筆の線がうまく乗りません。
意外と時間がかかり、列車の発車間際まで描くこともあります。
画力に自身のある方も、ここまで過酷な現場はそうないと思います。
それでも、がんばって描き上げた時の達成感は最高です。
私も描き上げて撮影した後、次の列車の中で撮影した画像を見て楽しんでいます。

最後に、駅ノートのお絵かきを楽しむポイントですが、あくまでお絵かきはお絵かきです。
模写ではないので、好きに描いていいと思います。
描きたくないものは描かなくていい、大切なのは自由に楽しく描く事です。
絵が上手い下手が全てではないということです。
どうぞ皆さんも挑戦してみてください。


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